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 今回は、WWⅡ当時において前回までに紹介した以外の水上戦闘機開発にスポットをあてます。
 まずは変り種のブラックバーンB.44です。飛行中の姿を見ると水上機というよりも飛行艇に見えます。この機種はイギリス航空省の要求仕様N.2/44という単座飛行艇戦闘機を求める要求に、ブラックバーン社が応じて設計開発したものです。1104001.jpg横顔図を見たら判るように単フロートが稼動式となっており、飛行時には機体ボディ腹部に合体収納されます。両翼に位置する小さな補助フロートも前方に折り曲がって主翼と一体化されます。これらのフロートの稼動は油圧式を採用していました。水冷H型24気筒のネイピア製セイバーエンジン(2,000馬力)を搭載して二重反転プロペラも採用。武装は20mm機関砲4門を搭載予定。空力に優れたフォルムで、エンジンや武装も当時としては強力なものを採用しています。
 この引込みフロートの方式、ブラックバーン社ではブラックバーンB.20と呼ばれる双発の試作哨戒飛行艇を1939年頃に手がけた事もある(正式採用はされていません)もので、今回はその稼動フロートの2回目のチャレンジで社運をかけたものでありまた。しかしブラックバーンB.44はテスト飛行で飛行中に深刻なコントロール不足に陥る特性が発覚し開発が暗礁に乗り上げます。また、搭載するセイバーエンジンの供給不足と合い重なってあえなく開発中止。飛ばすと危なかしくてしょうが無い機体に、最新鋭のエンジンは勿体無くて渡せないって感じです。

 ちょいと脱線しますが、この水冷H型24気筒のネイピア製セイバーエンジンは、ホーカー・タイフーン戦闘攻撃機に重点供給されました。しかしこのタイフーンだって初期量産機は急降下からの引き起こし時に尾部が折れやすいことが判明した危険な機種でありました。

 そして最後に登場はサンダース・ローSR.A/1です。帝国日本海軍の二式水上戦闘機の成功に着想したサンダース・ロー社は、飛行艇タイプSRA1.jpgであればフロートタイプと違って走波性も高く、新機軸なジェットエンジンを搭載すれば、ものすごい水上戦闘機が実現すると発想します。
 さっそくイギリス航空省にその机上案を持ちかけ、要求仕様E.6/44の発行を獲得します。1944年5月に試作機3機の開発契約を取り付けさっそく机上案を具体化すべく設計開発を進めましたが、いかんせん当時のジェットエンジンが、たかが飛行艇のプロトタイプにすんなり提供される訳が無く、試作1号が完成したのは1947年。WWⅡは1945年に終戦してしまっていて、飛行艇型戦闘機なんて要らないと判断されるのは当然の事で、やはり開発中止となりました。合計3機完成していた試作機は1951年までテスト飛行されていましたが、コクピットが狭く飛行中の視界確保にも難渋し、飛行性能も思わしくなかったらしく、テスト中の事故で2機が全壊しています。

 ちなみにWWⅡが終戦してかなりの年月を経た1950年初頭(設計は1948年から開始されていた)には、アメリカ海軍でXF2Yシーダートと名づけられたジェット水上戦闘機が現れ、試作機が音速突破しています。しかしテスト飛行と改修を重ねた結果、飛行性能を良好にする機体形状と、水上機として要求される機体形状とは両立し得ないと判断されて開発中止となり、現在に至るまでの最後の水上戦闘機種となっています。


 

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